提案事例 ~ねじ開発ストーリー~
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加工・ロット・コストという3つの壁。製造元を弊社に切替えていただいた事例

その他

ご要望

今まで製造を依頼していたねじメーカーが倒産してしまった。依頼先が無くて困っている。同じものを作ってくれないだろうか。

POINT

  • L寸法500mmのボルトの製造
  • 3つの壁を乗り越える必要があった
  • 加工の壁、ロットの壁、価格の壁を乗り越えて完成

完成に至るまでのストーリー

弊社の製造管理者の後藤が完成までのストーリーを振り返りました。
新人研修の一環で語っていた内容を抜粋いたします。

-新人

「例のロングボルトのお話を聞かせてください。」

-後藤部長

「『わけあってL寸法500mmボルトの製造先を変える必要ある』という相談があったけど価格が厳しくてとても困ったね。価格を合わせるには3つの壁を乗り越える必要があった。」

-新人

「どんな壁ですか?」

-後藤部長

「1つめは製造設備のストローク。圧造では500mmくらいの杭を試しに作ったことはあるけどボルト用としては実績がない。軸部の曲がりが一番に懸念された。試しに作ったものは個人的に使用する畑用の杭でね…(笑)ボルトと杭は全く違うから。仮に圧造が成功しても絞り、トリミング、先取り、が出来るのか?そのあたりも課題だった。

-新人

「杭とボルトは全く別物ですものね。2つめの壁はどんな内容ですか?」

課題解決に向けて話し合う様子
-後藤部長

「2つめはロットの問題。数量が少ないのでL500だけのために加工をしてもメリットがないんじゃないかと思った。」

-新人

「僕もロットとコストの問題はいつも頭を抱えてしまいます。」

-後藤部長

「その気持ちはよくわかる。そして3つめは予想通りコスト・単価の壁。提示価格があまりにも低くて目が飛び出たのを覚えている。しかしロットと単価の問題はいったん置いておいて、製造できないと何も始まらない。お客様に頼んで時間をもらってトライ!L500の圧造を試みるとほんの少しだけ直線機で矯正しきれないくらいの歪みが生じた。しかしボルトの公差としては許容範囲内。その歪みが次の工程にどう影響するかは心配だったけど、そこを乗り越えて次の絞りが出来ればすべてうまくいく自信があったね。

-新人

「さすがですね。実際やってみていかがでしたか?」

-後藤部長

「もちろん難なくクリア!歪みは絞り機の治具の許容範囲であったということもわかった。さてここからがねじ屋のつらいところ。自動生産・供給が可能なのかどうかを検討する必要がある。スライドコンベア―に500mmのブランクを流してみたが、やはりシュートを通らない。『シュートの強度が多少落ちてしまうが、削ってしまおうか!』と思ってサンダーで削ってしまった(笑)

-新人

「臨機応変に対応することが大切なんですね!」

L寸法500mmのボルト
-後藤部長

「うん、結果は良好。上手くいった!同じ要領で他の機械も改造もして、この時からうちでも500mmのロングボルトの生産が可能になってん。」

-新人

「単価の壁、ロットの壁という2つの問題はどうなったんですか?」

-後藤部長

「まずはお客さんにロングボルトを製造可能なことを報告した。その際に単価とロットの問題がまだ残っていることも正直に伝えた。そしてこう付け加えた。『他のサイズのボルトと合わせて作ることでロットの問題は解決できます。要はたくさんのサイズのボルトの製造をいっぺんにご注文いただければ、ロットも単価も合わせることができます!』ってね。そうしてご注文いただくことができてお客さんにも喜んでもらえた!」

-新人

「ねじメーカーの僕たちならではの提案ですね!今後の営業活動に参考にさせていただきます。ありがとうございました! 」

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