スネイルボルト
ご要望
「材料費が高騰してしまい、既存の取引メーカーの製造コストが上昇して困っている。何とか解決できないだろうか?」
POINT
- 長年培った知識、技術、ノウハウを持つスタッフによる徹底的なヒアリング
- 余分な工程の洗い出し
- 製造・加工設備をもつ充実した工場による作業工程の自動化により、工程削減
完成までを振り返って
入りやすいねじ「スネイルボルト」。
作業効率化で評価の高いこのボルトの開発話を、担当者が語ります。
―スネイルボルトとは
「通常のねじに比べて、先端が細くなっているのが特長。で、穴に入りやすくスムーズに締められるから、作業効率化に役立つ。1本ずつの作業時間で言えば秒単位のわずかなものでも、大量のボルトを締めるとなると大きな違いが出てくるというわけです。」
―機械メーカーからも「量産は難しい」との返事
「製造・開発にあたっては、転造機等の機械メーカーにも相談しました。どこも『量産は難しいと思う』っていう返事でしたけどね。」
「この形状を実現するには、転造下のブランクをつくることが課題でした。
切削加工で何回か試作してみたんですが、切削加工から転造加工というプロセスを繰り返していくうちに、ちょうどいい具合の角度が完成したんです。」
「ちょうどいい角度っていうのがなんとも難しくて、これはもう何回も試作してようやくできあがった角度。
ワッシャー部分はどこをとっても非対称やから、転造加工が難しかったですね。どうやって仕上げるか、ほんまに頭を抱えてました。」
―完成品に、お客様は「びっくり」
「たしか、現場の方にお渡しした時、初めて見る形にびっくりされてましたよね。」
「うん。特殊ねじメーカーとしては嬉しいリアクションやった。現場の声を聞いてると、アイデアと技術で可能性はまだまだ広がるんちゃうかとも感じた。
“進入角度が多少斜めになったり、入りにくいような場合でも、うまく強制されてはいっていくんです!”って言うて、喜んでもらえたしなぁ。
作ってよかった、ほんまに。」
「うちは材料も国産品を使ってるから品質にも満足してもらえたし、強度も作業効率化も全部実現できましたね。」
―スネイルボルトという名前の由来
「あ、そういえばお客様の会社で、このボルトの名前が浸透しているんですよね?」
「そうそう。せっかくやからかっこいい名前にしたくて、見た目から”カタツムリ(蝸牛)”をイメージして、スネイルボルトって名付けたんよ。
そうしたら、お客さんに好評で、すぐ名前が浸透してん。
こうやって自分らで作った製品で”朝日押捻子ブランド”が広まっていったら、ええなぁ。」