提案事例 ~ねじ開発ストーリー~

重仮設用のクランプボルト

建築/土木

ご要望

仮設構台や仮設桟橋等の重仮設構造物を組み立てる際に使用される専用金具のボルトで、これまでよりも、さらに強度が高く、さらに扱いやすいものを製造してほしいというご要望でした。実はこのご要望にはこれまで数社取り組んだものの失敗続き。難易度が高いご依頼でした。

POINT

  • 高強度クランプボルト
  • 開発期間およそ2年半
  • 試作回数200回
クランプボルト

完成までを振り返って

建築土木の現場で、クレーンやダンプカーが作業する仮設構台や仮設桟橋等の重仮設構造物の組立には、溶接やボルトが使用されていたそうです。しかし、溶接は有資格者でないと作業できないし、ボルト接合も穴開け作業から必要で作業現場では非常に手間がかかっていたとのことです。そこで誰でも簡単に組み立てることが出来る専用金具が開発されたということです。その専用金具に使用されるボルトはさらなる進化を求められており、非常に難しいことを要求されましたが、強度も極めて高く、扱いは簡単、再利用もできるボルトを何とかつくることができました。

強度と硬度のバランスを再考し、しっかり鋼材にくい込む先端と些細な衝撃で潰れないネジ山を有していながら、硬すぎて強度が低下することもないボルトを造るために試行錯誤を繰り返しました。このボルトの開発期間は2年半近くかかりました。試作は200種類にも及びました。

クランプボルト”

神戸製作所様の材質をいろいろと試し、いろいろな熱処理も試しに試しました。何回目かの熱処理をしていたとき、とある失敗をしたんですよ。それが実は重要なヒントになりました。ここでは詳しくは言えないのですが…。そのヒントをもとにさらに試行錯誤を繰り返して完成に近づき、品質も安定しました。
しかしそれでもまだまだ完成とは言えません。
なんとあまりにも仕様の基準が高いため試験方法自体が難しいという課題も出てきました。うまくいかないので依頼元の試験場の設備をお借りして試験を実施。すると現行品の基準を大幅に上回る評価が得られました。なんと限界と思われていた値を超える結果が得られたんです。

クランプボルト”

実はこのご要望にトライしたのは弊社が最初ではありません。別のねじ屋さんもこれまで依頼になんとか答えようとしてきたのですが難しかったようです。弊社としてはプレッシャーでしたが、なんとか実現できてよかったです。業界一強いクランプボルトをさらに強靭にすることが出来ました。
何度も失敗して何度も心は折れかけましたが「もうちょっと頑張ってみよう」と言ってくれる人たちに支えられましたね。失敗してもいろんなアイデアが沸いてきましたし。なんとか成功させようという気持ちが強いのはうちの特長だと思いますね。

クランプボルト”
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