仕入先の切替でご依頼いただいた銅リベット
ご要望
「これまで製造を依頼していたメーカーの方針が変わり仕入れ価格が倍になってしまった。同様の銅リベットの代わりの製造先を探している。」
POINT
- 銅などの鉄以外の素材にも対応
- 銅の酸化を抑える工夫
完成までを振り返って
この銅リベットの開発・製造担当者の萬世にインタビューした内容を紹介します。
信頼関係を大切にする姿勢
この話は長年お付き合いのあるお客様から「朝日さんならできるかも」と相談されたことがきっかけでした。お客様からお話を詳しくお聞きするとお客様と取引先様において大切な部品であるとのことでした。
しかしご相談いただいたリベットは銅でできたもの。鉄を専門としている我々にとっては不慣れなものでしたが依頼を引き受けました。なぜなら形状などから圧造で製造できると判断したため完成までの道程がイメージできていたからです。
銅の酸化をいかに食い止めるか
銅を扱う上で問題になったのが“酸化” してしまう問題。サンプルを送るとお客様より「朝日さんのサンプルだけに変色が起きている。前のメーカーはこうはなっていなかった。」と連絡が入りました。
酸化を抑える方法について表面加工業者に対策を相談しました。銅を酸化させない特殊なコーティングを教えてもらうことができたのですが、価格が高く現実的ではありませんでした。
コーティングがだめだと分かった後は持てる知識を活用して試行錯誤を繰り返しました。サンプルを油に漬けてから大気に触れさせる実験や、サンポールで洗って酸化した部分を洗い流すなど。しかし残念ながらどれも狙い通りにはいきません。
さらに試行錯誤を重ね、鍍金メーカーが持っているような強い酸を用いないと駄目だと気づき、知り合いの鍍金メーカーに無理をいって協力していただきました。結果は良好、製品を綺麗に仕上げることができました。
自分の知恵だけでは乗り越えられない問題も、多くの人と協力して乗り越える。それが朝日押捻子製作所です。「お客様の課題を解决したい」と挑戦し続ける姿勢をこれからも大事にしたいと思います。